げろーまにうむ

アニメを見るだけのマシーン

【ネタバレ】KING OF PRISM 虹の先に待っていたもの

女の子向けながら骨太なストーリーとスケートを基盤とした他にはないオリジナリティ溢れるプリズムショーを業界屈指の3DCGで描き人気を博したプリティーリズムシリーズ。
KING OF PRISMはその三作目プリティーリズムレインボーライブに登場する男性三人組アイドルユニットOVER THE RAINBOW(通称オバレ)のスピンオフ作品である。


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女の子向けにイケメンが登場するのは珍しいわけではないが単独映画化となるとトチ狂ったとしか言いようのないこの企画。
劇場総集編のプリズムツアーズに急遽新規楽曲をねじ込むなどの無茶を経てシリーズ終了から二年後ようやく実現に至った。

本編の前に今作初登場となるキャラクターの一言メッセージが流れる。どうやら週替りのようだ。
それが終わるとオバレのライブから本編が始まる。 曲目はTVシリーズで三人が初披露したathletic core。プリズムジャンプも三人が使用するのは初めてとはいえ既存のものをそのまま使用する。減価償却である。
途中から会場に来たらしいプリズムショーを知らない少年一条シン

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なぜかペンダントをステージに向けかざしていたのだがそのジャンプに圧倒される。
感受性が豊かなようで神浜コウジ

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の胸キュン体験や速水ヒロ

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の無限ハグに抱きつかれ赤面、服が弾け飛んでしまう。(あくまでイメージの中で)
トリオジャンプは新作であり自転車に女の子と二人乗りで河原を走りながら胸キュンなワンシーンを代わる代わる流していく。
女の子は無声なかわりに字幕がついており観客の声援が許される応援上映ではアフレコを楽しむことができる斬新なパートだ。
その後いつの間にか女の子を下ろした三人は立ち漕ぎで猛ダッシュ(ヒロは先ほどまで女の子の後ろに乗っていたのだが)
某有名映画のように月をバックに飛翔し、公道での二人乗りは禁止されていると啓蒙する。
何を言ってるかシリーズを見ておらずこの文を読んでいる方にはわからないだろうがこれがプリズムショーである。
その後ライブが終わり自転車で帰路に着くシン、プリズムショーの魅力の虜となったようで三人の真似をし河原で大ジャンプを敢行。
当然落下するだけなのだがなぜか河川敷でプリズムショーを悲観していたプリズムショー界の重鎮氷室聖。
(彼だけレインボーライブ、キンプリともに公式サイトにキャラ紹介画像が載っていない。不遇。)
そのジャンプを偶然目撃した聖はシンにスタァの輝きを見出だし、倒れ込んだシンに声をかける。「プリズムショーは好きかい?」と。
状況を鑑みると明らかに変な人なのだが悪気があるわけではない。名ゼリフである。


その後誘いを受けシンは聖が運営する名門エーデルローズの寮に入寮、着物を着た美人とすれ違いそのお付きの子に衝突し押し倒され、木の上から降ってきた不良風の少年に無視される。
面食らうシンに小さくて生意気な少年が声をかける、TVシリーズで見覚えがあるのだが声が違い確信が持てない。
小学生と間違われ激昂する少年は自分は中1であり名はゼウスだと名乗る。ああ、あの子の弟だ。

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騒ぎを聞いた優しそうな青年高梁ミナト

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に仲裁されついでに嫌いな食べ物を聞かれ寮の中へ案内される。
しかし名門だったかつての栄華はなくこの寮以外の施設や生徒はほぼ元主宰の法月仁

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が立ち上げた新組織シュヴァルツローズに引き抜かれシン含め10人しか寮生はいないようだ。風呂掃除中だという寮長に挨拶。
山田さんと聞きシリーズ視聴済みの僕は身構えるも例の山田さんは風呂場の銅像になっているというフェイクで普通のお兄さんだった。


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少し残念である。
聖のいるという礼拝堂へ行くシン、そこでは聖がシスター風の美人(特徴的なパーツが隠れているがあの人である)とともにプリズムの女神に祈りを捧げていた。
挨拶もそこそこにスマホに表示された場所へ向かわされるシン。たらい回し感がある。
そこで待っていたのは憧れのプリズムスタァオバレの三人だった。シンに会いに来たのだと言いプリズムショーに大切なのは仲間だと説く。

ここで回想が入り三人の出会いや因縁が語られる。ぶっちゃけ総集編である。
PRIDE切りなどの名シーンを経て今度はシンの回想。街中に出現したホタルに誘われ謎の少年ルヰ

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と出会いプリズムショーを彼に見せてきてくれとペンダントとチケットを手渡される。冒頭の更に前の時系列のようだ。
訝しむシン、目を離した隙にルヰは消えていた。

現在に戻り寮へ帰ったシンはお風呂へと向かう。しかしそこには朝すれ違った美人とお付きの子がいたのだ。
女湯と間違えたと思い慌てて出ようとしてコケてしまい気絶するシン、目覚めると裸の女の子二人に見られて…と思いきやその二名は男の子だったのだ。
歌舞伎の女形だという太刀花ユキノジョウ

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と西園寺レオ

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と名乗る二人、慌ててシンも名乗るが風呂場であることを忘れている。丸出しである。
呆れるユキノジョウとガン見するレオ、あざとい子は嫌いではない。

シュヴァルツローズの稽古の様子へと移る、法月仁が有望なアイドルに付きっきりでレッスンをしいつでも笑顔でいろとわりかし普通のことを言っている。

場面は移り慣れ親しんだ高架下で踊るオバレの仁科カヅキ

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はエーデルローズ寮にいた不良風の少年香賀美タイガ

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にストリート時代に比べて今のあんたはヌルいと失望される。そこにシュヴァルツローズの過酷な地下施設から脱走した大和アレクサンダー

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が乱入しまたも煽られるカヅキ、スルーしようとするも逃げるのか?と安易すぎる売り文句にバトルを受ける。
ジャッジは誰が決めるのかと揉めているところに裏切り者と呼ばれる十王院カケル(本名はカズオらしい)

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が登場し興奮度を図る謎機械で公平なジャッジができると審判を買って出る。
それと同時に自主練をしようとエーデルローズの練習用リンクに向かったシンは同じく自主練を行うコウジと出会い一緒に踊ろうと誘われる。

曲目はEZ DO DANCE。オリジナルアレンジでありアレクとカヅキのデュオである。
実力は確かなものでアレクに押されるカヅキ、PRIDE切りを成した伝家の宝刀バーニングソードブレイカーを抜く。
しかしアレクは自慢のシックスパックを硬質化しそれを受け止めにかかる。なぜか一度避けるが逃さないカヅキ。
二の太刀を振るうが完全に受け止められ弾き飛ばされてしまう。
倒れ込んだカヅキを追撃するかのごとくアレクは闇のドラゴンを召喚し喰らいにかかり絶体絶命なカヅキ。
スピンでブラックホールを発生させ自爆覚悟でドラゴンを飲み込み尽くし引き分けに。なんのアニメだっけこれ…

コウジとシンのバトルも佳境に入っていていとちゃんのジャンプである赤い糸、夏の恋で初めてショーをするシンを緊縛するコウジ。正直気持ち悪い。
コウジはシンの心の奥底に眠る気持ちを呼び起こさせるため追い込んでいたようだ。
窮地に追い込まれたシンは覚醒し真・無限ハグを発動、覗いていた寮生ごと骨抜きにしてしまいコウジから認められ曲をもらう。ヒロのために書いた曲だが固辞されたものらしい。

聖と何やら話しているヒロ、オバレの精力的活動も虚しくエーデルローズが大赤字であることが発覚。
コウジが本人の意思でハリウッド映画と専属契約を結ぶことでそれを補填する事を決めたと告げられる。氷室聖さん、プリズムショー以外のことは完全にポンコツです。
エーデルローズの行うイベント内のラストライブでオバレが無期限活動休止となることを表明。
ラストソングはプリズムツアーズにねじ込まれたFlavor。歌詞がストーリーとリンクしており当時から構想があったことを匂わせる。
トリオジャンプはお馴染みパラダイス行きの電車。行き先がハリウッドと代わりコウジだけが乗り込む。
熱くエールを送るカヅキ、半泣きになりながらコウジの身体を案じるヒロ。 二人の確執を知っているとこみ上げてくるものがあります。
電車は出発し追いすがるヒロにコウジもヒロの身体を案じ笑顔で旅立ちます。
旅立つコウジとともにライブも終わり完全に客席は葬式ムード、僕と完全にリンクしています。
そこで聖はシンに客を笑顔にしてこいと告げます。無茶振りもいいところです。
シンがライブに乱入しコウジにもらった新曲over the sunshine を披露、初めて観客の前に立つとは思えない踊り。一曲丸々新規のライブは実質これだけなので力が入っています。 サビでヒロ、カヅキも参加してきます。空港へ向かう車の中でコウジもともに歌っています。離れても繋がっている三人の絆に泣いてしまいました。
シン初のプリズムアクト、学校の屋上で未成年の主張を行います。初めてプリズムショーに出会った時のことを覚えていますかと。
レインボーライブ本来の主役であるなるちゃんたちのライブをバックにライブを終え観客も笑顔に。新たなスタァ誕生を感じさせます。
初心を思い出した寮の仲間たちもなだれ込み抱き合いながらEDへと入り完全に次回へ続く流れです。
EDを終えるとルヰの裸を見て恍惚としながら芭蕉扇を片手に風呂に入る仁、完全な変態がここにいました。

当然のように第二部の予告が流れルヰに持ち歌prideを奪われるヒロ、名台詞も完コピされています。
エーデルローズ脱退を聖とヒロに告げるカヅキ、三人はバラバラの道を歩むことになるのか?
仁が完全なオリジナルなんてもうこの世に存在しない、だからパクリの何が悪い。パクリ最高と声高に叫ぶ。人として終わっています。
それだけに飽き足らず聖の愛するジュネを狙っているようです。仁と菱田監督の暴走は止められません。



総括
一番に感じたのは僕はこんなにオバレのことが好きだったんだなあという気持ちでした。
元々そこまで入れ込んでたわけではなくボーイズルートのように腹を抱えて笑いに行ったつもりで事実笑えたシーンも多かったのですが…
ラストライブの一連の流れではここ数年覚えがないくらいボロ泣きさせられていました。
しかしシンのライブでしんみりすることなく明るい涙で見送ることができたのは非常に良かったです。

オバレを軸に回っていく話ではあるんですが虹の先を越えていけというキャッチコピーに違わず新キャラ達にバトンを繋いだ感もあり続きが見たくなる気持ちにさせられます。


虹の先に待っていたもの、それは新たなスタァ達の煌めきでした。



第二部の予告はほぼ旧キャラに持っていかれた感は否めないですが。本当にシンたちは活躍するのか、そもそも第二部はあるのか。
あまり生々しい話はしたくないのですがとりあえずもう一回見に行きたいと思います。